インターネット苦瓜

ゲームの話をしないブログ

くるり「ハイウェイ」とファイナルファンタジー


くるり - ハイウェイ

僕が旅に出る理由は だいたい百個ぐらいあって

ひとつめはここじゃどうも 息が詰まりそうになった

ふたつめは今宵の月が 僕を誘っていること

みっつめは車の免許 取ってもいいかななんて 思っていること

ファイナルファンタジー15で遊んでる。事前には「主人公たちがクルマに乗って旅をするオープンワールドRPG で、ガス欠になるとクルマを押さなきゃいけない」「Stand By Me がどこかで流れる」「主人公たちが黒づくめのホストみたいな格好」という断片的な情報しかなかったんだけど、まさかゲーム開始直後にそれらの要素が全部いっぺんに登場するとは。これで俺の手持ちの情報は使い切った。あとは何がどうなるかわからない。

俺は車にウーハーを(飛び出せハイウェイ)

つけて遠くフューチャー鳴らす(久しぶりだぜ)

何かでっかい事してやろう

きっとでっかい事してやろう

事前情報を仕入れなかったのはシャットアウトしたわけでなく、そこまで期待をかけていなかったということで、まぁ「とりあえず」ぐらいの気持ちで予約だけしてたんだけど、遊んでみるとなかなかおもしろい。オープンワールドゲームとしての地盤はしっかり作られているし、一見単純化されすぎているように思えるバトルシステムは、あらかじめ戦況がごちゃごちゃになることを大前提に、幅広いプレイヤーを「置いていかない」ように練られていることがわかる。まだ数時間しか遊んでいないので、その「拡がり」については何とも言いようがないけど。

しかし難しいな~と思ったのは、そのシナリオ構成である。主人公たる王子は他国の姫との婚礼の旅に出て早々、母国と王たる父を侵略により失う。予期せぬ悲劇に見舞われ、嘆く暇もなく「王位(そして国の)継承」という責務を負わされた主人公たち……という重たい始まりなのだけれど、その割に主人公たちの会話はお気楽で緊張感に欠けている。追手が迫っているはずなのに、キャンプでスマートフォンゲームの対戦やってたり、記念写真をあちこちで撮りながらコンバーチブルでトマトの配達なんかやっちゃったりして、ノンキそのもの。かと思ってるとデモシーンで突然泣きわめいてみたり、何だかとっても情緒不安定である。

飛び出せジョニー気にしないで

身ぐるみ全部剥がされちゃいな

やさしさも甘いキスもあとから全部ついてくる

確かに、広大な世界をある程度自由に旅し、様々な人々と関わりあい、冒険を繰り広げられますよ、というゲームのムードが始終重々しかったら、早々に胃もたれしそうだ。「自由な旅」には解放感が欠かせない。その点で王子パーティのおきらくムードは必然的であるが、しかし一方で「ファイナルファンタジー」というブランドが、チャラいイケメン4人がおきらく旅を延々続ける「だけ」であることを許さないのだろう。

全部後回しにしちゃいな勇気なんていらないぜ

僕には旅に出る理由なんて何ひとつない

手を離してみようぜ

つめたい花がこぼれ落ちそうさ

今だに「ファイナルファンタジー『らしさ』」なんていう話題が出ることがあるけど、とっくの昔にファイナルファンタジーというブランドはある特定のスタイルを指すのではなく、「その時点におけるスクウェア・エニックスの開発力全開投球したフラッグシップタイトル」になっている。その意味で「そうは言っても、好きにできるんだから、好きにしな」というのも、時代の潮流というやつなのかも知れん。月並みだけど、何にしたって、息が詰まらないのはいいことだ。

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